SwiftUI × CloudKit における「withCheckedThrowingContinuation」について…

CloudKit やコールバック API を Swift の async/await（構造化並行性） として扱うためには、両者の仕組みの違いを埋める必要があります。本記事では、その中心的役割を担う withCheckedThrowingContinuation { continuation in } の動きを解説します。

1. まずは async/await と callback の違い
2. withCheckedThrowingContinuation について
3. continuation について
4. continuation を使った CloudKit の async 化の流れ
5. まとめ

1. まずは async/await と callback の違い

CloudKit のような従来の API は、

処理が終わったらクロージャを呼ぶ（callback 型）。

一方で Swift Concurrency の async/await は、

処理完了まで待ち、戻り値で結果を受け取る（構造化並行性）。

この 2 つは直接互換性がないため、ギャップを埋める仕組みが必要になります。

2. withCheckedThrowingContinuation について

withCheckedThrowingContinuation は、内部で次のような処理をしています。

async 関数を一時停止させる
再開用のハンドル（continuation 詳細は後述）を生成する
その continuation を { continuation in } の引数として渡す
resume が呼ばれるまで待機する

withCheckedThrowingContinuationは、CloudKit のような callback ベース API を「async/await（構造化並行性）に変換するための通訳」として動作します。

3. continuation について

continuation は、async 関数が一度「停止（suspend）」した状態から、次の 2 パターンのいずれかで再開させるためのハンドルです。

continuation.resume(returning: value)：成功として再開
continuation.resume(throwing: error)：失敗として再開

continuation は、「中断された async の return/throw を外部から実行するリモコン」だと言えます。

4. continuation を使った CloudKit の async 化の流れ

例えば CloudKit クエリを async 化した処理は次のようになります。

/// CloudKit から SNSタイムラインの投稿(Post) レコードを取得する非同期メソッド。
func fetchPosts() async throws -> [Post] {
    return try await withCheckedThrowingContinuation { continuation in

        var posts: [Post] = []

        // 「Post レコードを取得する」ための CloudKit クエリ。
        // predicate は例として全件取得（true）を指定。
        let query = CKQuery(recordType: "Post", predicate: NSPredicate(value: true))
        let operation = CKQueryOperation(query: query)

        //  レコード1件ごとに呼ばれるコールバック時の処理を定義
        operation.recordMatchedBlock = { _, result in
            if case .success(let record) = result,
               let post = try? Post(record: record) {
                posts.append(post)
            }
        }

        // クエリ全体が完了したときに 1 回だけ呼ばれるコールバック時の処理を定義
        operation.queryResultBlock = { result in
            switch result {
            case .success:
                continuation.resume(returning: posts)
            case .failure(let error):
                continuation.resume(throwing: error)
            }
        }

        // 非同期クエリを開始する。（コールバックがあるまで処理を中断）
        database.add(operation)
    }
}